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「クスッ……莉奈、それ以上やると風花さんが死んじゃうわよ」
その悍ましいもう一つの声は、いじめの首謀者の沙梨乃だった。
小さい足音を鳴らしながら私に近づいてくる沙梨乃。
笑顔だが、全く目が笑っていない彼女の表情に私は寒気がした。
「あー、沙梨乃ってば遅ぉい♪見てよコイツ顔、めっちゃウケるよー」
美子は私を羽交い締めから解放すると、俯いた私の髪の毛をグイッと上方に引っ張った。
その反動で私の顔は正面を向き、目の前にいる沙梨乃の顔を嫌でも直視する羽目になってしまった。
「本当、面白い顔。これじゃ可愛い顔も台なしね」
沙梨乃は私を見つめ薄ら笑いを浮かべる。それは勝ち誇った様な表情だった。
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