7/9

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
化粧室にいき、もう一度 薬をバックから出して、ミネラルウォーターで流した。 鏡を見ると 熱が出初めたのがわかる。 席に戻ると 次長も席を外していた。 しっかり 部長の隣に座り 酌と世間話をし初めた。 戻ってきた次長は 軽く頭を下げると、課長の隣に座った。 部長の機嫌は良くて、上申の件はスムーズに済んだ。 気分良く 部長と課長をタクシーに 見送ると 次長と二人 歩道に残された。 私は 最初から電車で帰るつもりだった。 「じゃ、お疲れ様でした。」 次長に挨拶すると、駅に向かいはじめた。 最初 後ろから声かけられているのが、自分とは 思わなかった。 名前を呼ばれて、やっと気がついた。 「良かった。あのまま帰るなんてひどいですよ。」 次長だった。 私が黙っていると、 「僕が席を譲ってあげて、感謝してるでしょう?」 笑顔が 眩しかった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加