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駅の近く、私が プライベートで 行くダイニングバーがあるから、そこに連れて行った。 熱っぽさは まだあるが、確かに 彼が 席を外した隙に、彼の席を横取りしたのは、私が悪かった。 と思って、誘ったのだ。 店に入り カウンター席に 座ると マスターは 目を丸くして、 「おやおや、これは…」とでも言いたそう。 執事みたいな 風貌のマスターは にっこり笑うと 私にドライマティーニを渡した。 次長は キョロキョロしながら 黒ビールを飲んでいた。 自分の行動が 信じられなかった。 今日は朝から 調子が出ない。 風邪のせいだ。 二杯目を頼んでから、ふと カランとドアの音がした店の入り口を見た。 頭が ズキズキしてきた。 元彼の遼だった。 「最悪」 ボソっと呟いたのも 私らしくなかった。 そして そんな私の様子を しっかり チェックしてる次長と目があった。
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