プロローグ

6/21
8776人が本棚に入れています
本棚に追加
/1960ページ
今までと変わらず一番近くにいんのに。 オレの存在がユキを苦しめていることも知っていた。 周囲の大人が促すとおり、離れた方がいいことも何となくわかっていた。 でもオレにはそれが出来なかったんだ。 …で、その内、ユキに水野という彼女ができた。 ユキがその子のことを好きだったかどうかはわからない。 ただ、すごく大切にしていた。 ユキはかなり疲れていたから、何かに縋りたかったのかもしれない。 わかってはいたけど、オレの体は嫉妬で焼けそうだった。 オレの心は切なさで千切れてしまいそうだった。 でもオレは見てみぬ振りをする覚悟を決めた。 今、オレは何もしてやれない。 オレが何を言ってもユキには届かない。 見守るしかないのだ。 .
/1960ページ

最初のコメントを投稿しよう!