Prologue
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初春のカバル街は、真夜中だというのに辺り一面光に包まれまるで昼間のようだった。 断続的にとどろく轟音。光は拡散し、闇夜を蝕む。 私は戦火の中にいた。 足元には幾多もの戦士の亡骸がばら蒔いたトランプのように重なり合って倒れている。 背中に刻まれた王紋が風で虚しく靡く。 「……哀れだな」 私は無色の瞳で彼らを見下ろしてそう呟くと、踵を返して歩き出した。
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