女ナポレオン

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 「それじゃ足りない、不服? なら正直にそう仰い。アンタには特別にもう一束くれてやる、私に這いつくばって感謝をしなさいよ」  俺は五十嵐奏の傲慢な態度に心底カチンと来た。確かに家は貧乏だ、だけどお金に不自由しているからその有り難みもよく解る。  なのにコイツはただ恵まれた環境のおかげのクセに、自分で稼いだ訳でもないのに当たり前のように大切なモノであるお金を粗末に扱う。俺はそんな五十嵐奏がどうしても許せなかった。
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