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「許さない……絶対許すもんか!」
教室から飛び出した後でスグに迎えの者に連絡をした奏は、その車に乗り込むや空気に当たり散らしていた。
平和的な八つ当たりをしているとは言え、雇われている身の上の運転手はたしなめたりなど出来る訳もなく、険悪な空気と嵐が過ぎ去るのをまつ渡り鳥のように身を縮ませながら耐えている。
そして固く拳を握りながらワナワナと身体を震わせている彼女の脳裏には今、ナオを始めとするカづくで抑えようとしたクラスの者の哄笑が浮かんでは消えて行く。
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