汚れなき灰まみれの聖母

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 「まっ汚いところだけど上がってくれよ」  どこかデレッとした雰囲気を漂わせ、ナオは謙遜しながら連れの女の子に部屋へ上がるように促した。そしてその娘は、その空気を壊さないよう言葉を選んでナオに言う。  「そんな事ありませんよ。先週お邪魔した時にお部屋を拝見して思いましたが“噂に聞く”男の子特有の3K部屋と違い、相沢くんのお部屋はとても清潔でした」  「そうかな? へへへ、白鳥さんも上手いんだから、でも俺を誉めても何にも出ませんぜ」  「本心からですよ、お世辞じゃありません。それからさっきも言ったように、これからは白鳥さんじゃなく親しい友達として桜子と呼んで下さいな」
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