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容赦なく過ぎ行く時に迫られて、彼は急ぎ身支度を整える。
これから新たに始まる生活に何の感慨も期待も持てずにいたが、それでも決して悲観も絶望もしていない。
ただ、過度の期待をしないようにしているだけの事なのだった。
しかしこれからは積極的に今までやれなかった事、やりたかった事をやろうと彼は前向きにもなっている。
「父さん、母さん、相沢直弥、行ってきます!」
ドアを開けた出掛け際、彼は自分のフルネームを名乗り、誰もいない部屋へと挨拶をした。
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