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「そうだね、そうだよね……」
ナオの剣幕に気圧された康太は、そこから彼の言った真実を汲み取り、その不幸な境遇に同情した。そしてメガネを掛けた優男は、自らの身の上をカミングアウトした少年をその腕で抱き締めて優しい慰めの言葉を贈る。
「ゴメンよナオ、つらい事を言わせて。償いとしてボクの事をア・ニ・キって呼んでくれ」
ナオと康太を中心に世界が動き出す。いや、正確に言えばこの2人を残して周りにいたクラスメート達が引いていると言った方が正しい。
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