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いや……部屋には確かに誰もいないが、薄汚れたフォトスタンドがある。
そして陽に焼けた一枚の写真が立ててあり、そこには在りし日の両親と彼の……相沢直弥と家族との幸せの記憶があった。
相沢直弥は思う、過ぎた過去と、どうにもならない今日を嘆いても始まらない。
なら未だにやって来ない明日で、笑えればいいだけの事さと……
相沢直弥自身が、そう自覚する。
そしてその思いは、この後で運命的な出会いを果たす、ある少女にも吹き込まれる事になる。
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