星の砂

2/12
前へ
/12ページ
次へ
.  いつしか悪魔の儀式に怯える事を忘れていた。  闇の中で生きる悪魔に魂を吸い取られた私の人生は、生きる術を暗闇の中に葬っていた。 「飛鳥、起きなさい!」  お母さんの声に目を覚ました。 「遅刻するわよ」 「……、うん」 「夕べお義父さん帰ったからちゃんと元気な顔見せなさいよ」  お母さんはそう言うと忙しなく階段を降りて行った。  お母さんとお義父さんはお互い再婚だった。  私が中学一年の時にお母さんがお父さんと離婚して、高校一年の時に今の義父さんと再婚したんだ。  今のお義父さんの前妻は他界したらしい。  そしてお義父さんのお母さん、所謂お婆ちゃんも同居していた。 ーーー お義父さんの顔 ……、夕べ見たよ。 悪魔の正体はお義父さんなんだ ーーー .
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加