カゲロウデイズ

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「───はっ、あ、はあっ、はあっ、はあっ……」 アラームの音で目を覚ました。 気がつくとそこはいつもの見慣れた僕の部屋だった。 僕は僕の布団で眠り、夢を見ていた。 夢……? なんの夢を見た? 思い出せない。 額に汗がにじんでいた。 よほど怖い夢だったのか。 いまは何時? *** 8月14日。 午前12時すぎくらい。 やけに蝉の声煩いのを覚えていた。 (結局なんの夢を見たんだろう……?) 今朝からなぜかずっと気になっていた。 今日も、君と公園でテキトーに駄弁る。 君と僕の目が合った。 ふいに、不思議と、夢の内容を思い出した。 「もう今日は帰ろうか」 なんだかいいようのない焦りが僕を襲う。 危機感。 切迫感。 どれも違うような気がしたけれど、とにかく夢があまりにもリアルだったから、いいようもしれない静かな恐怖が無害な毒のように僕を侵す。 ふたりで公園を出た。 道に抜け、トラックも赤信号も大丈夫だったことを確認した。 ほ、と息をもらす。 (気にしすぎ、だったかな?) 周りの人はみんな、上を見上げて口を開けていた。
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