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平凡で、当たり障りのない一日。
その平凡な今日に、退屈に殺されそうな私。
「はあー……」
ため息って吐きすぎると幸せが逃げるんだっけ?
いまから遊びに行くとしても中途半端な時間だし、暇だ。
どうしたものか。
ラジオのノイズが酷くなった。
つけ方の手順を間違えたのだろうか。
どうせそんなに集中して聞いてるわけでもないし……。
まあいいか。
今日は寝てしまおう。
だが、寝ようとすればするほど目が冴える。
ノイズの音がやけに耳についた。
「………」
ため息をつきそうになって、やめた。
しかたがなくラジオに手を伸ばす。
「?」
急にノイズがクリアになり、誰かの泣き声が聞こえてきた。
ともに、無理に落ち着こうとしているような声色の女性が言った。
『緊急ニュース速報です、××国の大統領の×××氏が、緊急の、』
「……は、」
『非常に残念なことですが、本日地球は終わります』
どこかの国の大統領が泣きながら話をするまでは、たしかに、たしかに今日はありふれた平凡な一日だったのだ。
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