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8月15日。
午後12時半くらい。
天気がいい。
天気がいい。
けれど。
なんだか健康的ではなく、病的なまでに光輝く太陽にうんざりした。
病気にでもなりそうだ。
「暑いねえ」
「うん」
うっとうしいくらいの眩しい日差しの中。
僕は君とふたりでいた。
真夏日の今日、することもないから君と駄弁っていた。
「でもまぁ夏は嫌いかな」
膝の上の猫を撫でながら君はふてぶてしくつぶやいた。
そんなに猛暑が苦手なのだろうか。
君の顔色はいいのに、だけれどなぜかとても疲れているようにも見えた。
「……あつい……」
まあ、たしかに。
これほど日差しが強いのだから気分が滅入るのも無理はないのかもしれなかった。
「あ」
君の猫が逃げ出した。
君はあとを追いかけた。
公園を出て、小さめの道路を猫が横切ろうとする。
(え……?)
君はためらいなく猫を追いかけて道路まで走った。
……いや。
いやいやいや。
待って、ねえ!
「いま、赤信号に───!」
「───」
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