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「んー……良く寝た…」
桜が舞う心地の良い季節。そんな中でおれ、山岡 圭斗は目を覚ました。
昨日までなら二度寝をしていたところだが、今日は違う。春休みも昨日で終わり、今日からは新しい学園生活が始まる。
時計を見ると、成る程丁度いい時間に起きたものだ。これなら余裕を持って支度することが出来る。
しかし先程から体が思う様に動かない。まさかと思いつつも顔を横に向けると…
「はぁ、やっぱりか…」
そこには幼なじみ、平瀬 愛の寝顔があった。こいつの家とは隣同士で、窓からお互いの部屋を行き来出来るという何とも良く出来た仕様になっている。
桃色の髪をショートにしており、髪の色と同じ瞳の色をしている。猫の様な大きな瞳も特徴だ。ほんわかしており、癒し系だともっぱら人気が高い。
それにこいつがおれのベッドでおれの隣に寝ているのは今に始まった事じゃない。昔から気がつけばこいつが隣に、何てのはもはや日常茶飯事だ。だから今更驚きもなければ抵抗もない。入ってくるなと言っても意味がないからだ。
「おい愛、起きろ。」
仕方なく起こす事にする。でないとおれが動けないからだ。がっちりおれが動けないように寝てやがる。
「うーん…」
寝返りをうち解放されるおれ。このままにしておいても良いが、さすがに気が引ける。
「おーい、起きたらプリン食べさせてやるぞー。」
「アイアムプリン!」
魔法の言葉をかけるとすぐに起きる愛。こいつはプリンが大好きだ。どのくらい好きかというと、プリンをおかずにご飯三倍は軽く平らげる。
つーかアイアムプリンって、私はプリンってことだよな…やっぱり馬鹿だこいつ、色んな意味で…
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