始まりの朝

5/5
前へ
/550ページ
次へ
「じゃあ愛起こしてくるから、くつろいで待っててよ。」 「あ、それなら私が…」 「いいからいいから。」 「すみません…じゃあ、食器を出しておきますね。」 「それじゃ、頼むよ。」 彼女とのやり取りを終え、そのまま部屋に上がる。あんなに生真面目で献身的ないい子なのに、彼氏がいないどころかいたこともないらしい。 愛によると、言い寄ってくる男全てを断っているらしいが…好きな男でもいるのだろうか? 部屋に着いたおれは部屋を開ける。そこには案の定まだ愛は寝ていた。妹の春香ちゃんはしっかりしてるのに、こいつは… 「おい愛起きろ。飯だぞ。」 「うーん…あと一光年…」 一光年って、意味わかってんのか!?いや、寝言なのはわかるんだが、そんなに寝れんだろ… 「ほら、さっさと起きろ。春香ちゃんも待ってるから。」 無理矢理布団を引き剥がす。するとそこにはなぜか、あってはならないおれの秘密物資があった。 「おおおおまっ、お前っ、何でそれ…」 「んー?へへ…何ででしょう…」 こいつもう絶対起きてるだろ。つーかどうやって探し当てやがった。 「けーちゃんはこういう、巨乳ちゃんが好みなんだねぇ…」 「わぁああああ!!」 午前七時十三分、おれ山岡 圭斗の悲鳴が轟いた瞬間だった。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加