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「どうしたんですか?まるでこの世の終わりに直面した様な叫び声でしたけど…」
「ははは、何でもないよ…」
迂闊だった、ちゃんと隠したと思ったのに。あの後愛は一旦自分の部屋に着替えに戻った。
一応春香ちゃんには言うなと釘は刺しておいたが、守るかどうか…愛はともかく春香ちゃんにまでバレたら、おれはこれから軽蔑の眼差しで見られるだろう。
「大丈夫ですか?顔色が優れないですよ?」
「だ、大丈夫だから…気にしないで。」
「じゃっ、じゃーん!」
ナイスタイミングかバッドタイミングが、愛がリビングに降りてきた。てか玄関から入ることを知らないのか、あいつは。
「お姉ちゃん!もう…圭斗さんに迷惑かけちゃダメでしょ!?」
「別に迷惑じゃないもーん!ね、けーちゃん?」
うっ…ここはどう答えればいいんだろう。迷惑じゃないと言ったら嘘になるし、かといって迷惑だと答えたらバラされそうだし…
「と、とりあえずご飯食べようぜ!?せっかくのオムライスが冷めちまう!」
「あーっ、話そらしたーっ!」
ふっ、ここは話題をそらさせてもらうぜ。お前のペースには…
「迷惑じゃないんですか!?」
…何という計算外だ。まさか春香ちゃんが食いついてくるとは。オムライスを盾にすれば確実に逃げられると思っていたのに。
「あら、あんた達今からご飯?」
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