新しいスタート

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対応に困っていると、この時間に聞こえるはずのない声が聞こえてくる。はて、幻聴でも聞こえる様になったか? 「何失礼な事考えてるのよ。」 人の心を読む力があるのだろうか、おれの母さん、山岡 華湖は。はなこと読むのにありきたりの花子ではなく、華湖と書いてはなこと読む。カッコいいのが妙に腹立たしい。 「花子じゃなくて悪かったわね。後全国の華湖に謝りなさい。」 「ははは、ごめんなさい。そして起きて早々フォークを俺に向けないで。」 気を付けないとな。変な事を思ったら何をされるか。 「それより母さん、珍しいな。こんな時間に起きるなんて。」 「当然よ。今日何があると思ってるの?」 そうか、春香ちゃんの入学式か。そりゃあ、我が子同然に育ててきた娘の入学式なら見ないわけにいかないよな。 「あ、でも母さんのご飯はまだ…」 「大丈夫よ、あんたの食べるから。」 何て人だろう。おれのだけライスの変わりにケチャップを盛り合わせるんだったかな。 「冗談よ。昨日仕事場で貰ったもやし食べて行くから。」 「それなら俺の食べていいから!!」 さすがにもやしだけで朝食を済ませるのはどうかと思う。てかもやし!? 「ほら、早く食べないと遅刻するわよ?」 「誰のせいだよ!!」
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