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まったく、あいつら派手に暴れやがって、ここに来るのも時間の問題だな……。
『ゼ、ゼノンさんっ! 影山様が……』
「ノック位しろって、いつも言ってんだろっ!」
指令室に入ってきた男は俺の部下。甘っちょろい考えで、何もわかっちゃいねぇ若造だ。
『す、すいませんっす。あの……影山様が至急、会議室まで来るようにと言ってるっす』
――影山が?
「わかったよ。仕度したらすぐ行くから。
おい、渚(なぎさ)、お前も準備しとけよ」
『自分も……っすか?』
ギロッと睨みつけると、渚は慌て部屋から出て行った。
それにしても珍しいな。あの爺さんが直々に会議を開くなんて。
今度、新しく赴任(ふにん)してくる運営チームと関係があるのか?
噂では、ゲーム世界をいくつも破壊して今一番勢いのあるチームだとか。
まっ、考えても仕方ねぇか。
タバコを取り出し、火を点けようとライターを探す。
『ゼノンさんっ! 吸ってる場合じゃないっすよ!』
ドアの前にいたはずの渚が、ひょっこりと顔を出していた。
――ちっ、うるせぇな。
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