プロローグ

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夜 シンシント静まる町。 その中、建物と建物の裏側の隙間には夜だけの世界 通称、裏の世界が広がる。 とある廃墟。 そこには、ある一人の男性が・・・ 「お待たせしました」 すると、部屋の奥から凛とした声が。 声がする方向を見れば、顔をパーカのフードで隠した少年が一人。 「おお!やっと来てくれたか」 男性は少年を見るやいなや大きなスーツケースを差し出してきた。 「はい、頂戴いたしました。それではこれを」 少年は小っちゃい透明なジッパー袋に入れたUSBをスーツケースと引き換えに渡した。 「ああっ・・・」 男性はUSBを受け取ると感嘆の声をあげた。 男性は礼を言おうと顔を上げたが、そこにはもう先ほどの少年の姿は何処にもなかった。
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