第1章

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「ふふふ、どうかされました?」 「猫・・・被り?」 ノーーーッ! 誤魔化そうと思っていたけど、流石に族の総長だけあって見逃さなかったみたい・・・。 ふむ、いっそのこと手の内に入れて動いてもらおうかな・・・。 「そんなこと、ないですよ?」 「いーや、絶対そうだ。お前の、お前のその笑顔だってほんとは作りものなんだろう?」 ありゃ・・・ここまで見抜かれてるとは、恐れ入ったよ。 俺も、まだまだかもね。 やっぱり、いろいろ勘づかれないうちに手の内に入れといた方がいいな。 「クスッ、だとしたらどうする?」 「やはりお前っっ」 「何か言いたいことでも?お前が気づかなければこんなことにはならなかったんだよ?」 サッと一瞬気配を消して転校生に近づいた。片手は、銃を持って転校生の腹に突き立ててる状態だ。 「なっ、何を!?」 「今、自分が置かれている状況わかってるよね?」 転校生は顔を強張らせながらも、コクリとゆっくり頷く。 「お前が族の総長だとバレたくなければ、俺の言うことを聞け」 「!?」 「いいな?」 転校生は何か不服があるようで 「おっ・・・お前の言うことは聞いてやってもいい。そ、そのかわり、俺のことな、名前で呼べ」 こんなことを言った。 「はあ?お前馬鹿?何で俺がお前のこと名前で呼ばなきゃならないの?」 「俺が・・・お前と友達、ダチになりたいからだ」 転校生くんはちゃっかりしているなあ・・・。 じゃなくて、 「うん、いいよ」 「じゃあ・・・俺もいいか?」 お前の、 「うん、もちろん。友達だもん」 「ああ!」 その、 「その代わり、俺の言うこと何でも聞くんだよ?」 「当たり前だろ?ダチなんだからよ」 くだらない友達ごっこに付き合ってあげるよ。 俺、優しいから♪
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