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「それで、何故僕のところに?」
「・・・」
「まさか、何の用もなしに僕のところに来たんですか・・・」
うわあぁぁぁ。
一番嫌なパターンが来たよ・・・。
「じゃあ、帰ってください」
「あ?何でせっかく来たのに帰んなきゃいけねぇんだよ」
「邪魔だからです」
お願いだからだんまりやめてよ。
てか、察しろよ。
俺にはやらなきゃいけないことがあるんだよ!
転校生くんのこととか転校生くんのこととか、あとその他もろもろ?
それに、久しぶりにお仕事しなきゃマズイんだよー。か、家計が・・・
「てなわけで、さっさと帰ってください」
「は?」
「ほら、一分一秒も僕は無駄にしたくないんですよ。それともまた、カードを奪って貰いたいんですか?」
てかさ、今思ったんだけど会長のマスターキーで開ければよかったじゃん。
あ、それじゃあプライバシーの侵害か。
「わかった・・・。その代わり、明日の夜・・・空けとけ」
「何故です?」
「それか、俺がお前の教室に出向いてやる」
い、一本取られた・・・。
「いいでしょう。明日の夜は空けときます」
俺がそう言うと、会長は満足そうに笑い、俺の頬を手のひらで一瞬スルリと触って帰って行った。
何だよ・・・。俺は会長が触れたところを片手で触りながら、しばらく暖かな会長の温もりに浸っていた。
よし!
顔をパンパンッと何かを冷ますように叩き、寝室へと戻り、ノートパソコンを弄り始めた。
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