第1章

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ー「衣玖、お前にやってもらいたい仕事がある。引き受けてくれないか?」 「俺、そっち本業じゃないんだけど」 ー「まぁ、何だ。細かいことは気にすんなよな」 「完遂したら、125万くれる?」 ー「おいおい、相変わらず高ぇな」 「これでも安い方だよ。臣じゃなかったらこんな安くしないもん」 ー「あいよ。仕事終わったら俺のとこおいで」 「りょーかい。じゃっ」 ピッ携帯電話を切る。 何かね、臣が俺に犯罪者捕まえて来て欲しいんだって。 俺が情報屋って知ってんのに、こういう仕事たまに俺に回してくるんだよね。 臣さー、警察のトップに君臨する存在なんだから自分でやれよな。 んじゃ、準備もできたことだし、情報屋infinity、行ってきまーす♪ 第3者side 「ハハハッ!上手く行ったなあ。ウゼェサツどもも撒けたしよおハハッ」 静寂の夜に無粋な声が街の裏道から聞こえる。 周りには誰1人といない。だが、それもつかの間で、コツン コツン と何かが忍び寄る足音が聞こえ始めた。 「だ、誰だ?!」 コツン 『誰だ、なんて酷ーい。自分の彼女に対して言う言葉?』 男の背後から聞こえる含みのある女の甘い声。 「あーなんだ。お前か」 知り合いの声なのか、安堵して振り向くが 「?!」 いたのはフードを被った子が1人いるだけだった。 「ああ?誰だてめぇは」 『ひっどーい。あんなに心を通わせたなかじゃん♪』 「あ?ふざけんじゃねぇーよ。誰がお前なんかと」 微かだが、男の声は震えている。 怖いのだろうか。自分の知り合い、彼女の声に、似ているから。 『ふざけんじゃーねぇーよ、はお前だぞ』 「なっ?!」 男はさっきより、なお一層震え始めた。 何故なら、自分と似た声、いや、全く同じ声だったから。
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