第1章

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衣玖side 「臣ー。お金ちょーだい」 「おい、それより待て。俺は捕まえてこいとは言ったが、あんなに怯えさせろなんて言ってねぇぞ」 「え?俺知らないよ。怯えるってことは、それだけ自分が仕出かしたことに自覚があるってことだからいいじゃん」 「いや、そう言うのじゃねぇーよ。てか、おかげであいつなんにも喋らなくなったじゃーねぇーか!」 「えー。俺、ほんと何もしてないよー?ただこいつのー、視覚と聴覚、その他感覚とかを萎縮させー」 「わかった、わかった、聞いた俺が悪かった」 テヘッ さっきねー、臣に言われた犯罪者って言うのを捕まえたんだけどね、ただ捕まえるだけじゃつまんなかったから相手の心理深層を利用したの♪男が震えてる姿とか超滑稽なんだよ?これこそ、人の不幸は蜜の味って言う奴だよね。 「で、あれは何だったんだ?」 「演出だよ。え・ん・しゅ・つ」 「それに毎回俺を巻き込むなって言ってんだろ!」 「えー乗ってたくせにー」 「それはお前が乗らなきゃあとあと俺に何か言ってくるからだろ!」 「ね、そんなに怒ってると将来ハゲるよ?」 「誰のせいだと思ってんだ!」 「俺?」 「わかってんなら俺をおちょくるのもいい加減にしろ!!」 いやん、おちょくるなんて侵害だなあ。 いちいち真に受けるからそうなるってくらいわかろーよー。 「てかさ、臣俺に監視役みたいなの送ったでしょ?」 「ふん。お前がちゃんと飯食えばいいだけの話しだよ」 だからって2人もいらないよ。 俺だって腹減る時くらいちゃんと飯食うのに。でも、臣達が言うには俺が食べる量はものすごく少ないらしい・・・。 「臣さん、やっぱりあいつ何も言ってくれないんですけど」 「あ、仁ちゃん」 俺と臣がソファーで向き合っていろいろ話していると、臣の右腕的な存在の西原仁(さいばらじん)が現れる。
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