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第1章
第3者side
「おーい、笹原衣玖。理事長がお呼びだぞ」
とある教室で、何処か聞き覚えのある名前が聞こえる。
「せんせー。ダメです、こいつ寝てます」
とある生徒の声
「・・・起こせ」
「いや、さっきから起こしてるんすけど全然こいつ起きないんすよ」
サラサラしたストレートのを長い黒髪を無造作に後ろに束ねた少年をユサユサと起こす男子生徒一人。
「やっぱ無理。この子起きない」
何度声をかけても、何度肩を揺らしても起きないため、断念した生徒一人。
「はぁ・・・理事長に伝えておくよ」
それを見た先生は仕方ないと言うようにそう言ってから教室を出て行った。
「衣玖、行ったよ」
「さんきゅ、じゃあ後は俺サボりだから」
・・・どうやら、 狸寝入りだったようである。
「ほんと、衣玖って度胸あるよね」
「ああ、何せ理事長のお呼びがかかっているのにあれだしな」
衣玖が見送ると、さっきまでの出来事を思い出し苦笑する二人。誰か聞いてるのも知らずに。
衣玖side
んーもう侵害だなあ。
ちゃんと理事長室には行くって。
流石に理事長に呼ばれて行かないなんて・・・(どうかしてる)
ふふ、なあに?何か言ったかな?
教室から出てドアからちょっとずれて盗聴ってわけさ。
これくらい朝飯前だよ。
さてと、理事長室行かなきゃな。
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