0人が本棚に入れています
本棚に追加
「また、五年後も来よう?」
一人だけで、まさかここにくるとは思ってもみなかって。
確かにあの頃、俺達は、不確かな未来に希望を抱いていた。
そして、不確かな未来に望みと言う希望も抱いていた。
けど、俺達の関係は確かなものでは無くて、もしかしたら、未来への希望よりも、確かではなかったかもしれない。
「さっみー…」
風が冷たかった。
春夏秋冬、毎日見ていたこの木も今じゃ、素っ裸だ。
ふと空を見上げれば、二人で描いた未来の絵によく似た、真っ青な空が続いていた。
最初のコメントを投稿しよう!