27人が本棚に入れています
本棚に追加
走り出すアリスを見て、ハンプティは安堵のため息を漏らす。
「……行ったのか?」
ハッターが銃を撃ち込みながら、ハンプティに笑いかける。
「ええ。女の子を守るのは、男の義務だからねぇ。さて……ちゃっちゃと片付けましょうか。乙女の底力……見せてあげるわ」
「てめぇ、矛盾してるぜ、それ。……まぁいい。マエストロ鑑定士の底力も見せてやるぜ」
「鑑定士は関係ないでしょうが」
「やかましいわ」
まるで、これからパーティーでも始まるかのように軽口を叩きながら、銃を構える二人。
再び、ジャバウォックとの死闘が開始された。
※ ※ ※ ※
その頃、アリスは私を抱きしめ、道なき道を必死に走っていた。
かなりの距離を走った頃、アリスの足がもつれ、アリスは派手に転んだ。
同時に、私も道に投げ出された。
アリスが慌て、起き上がり、私を抱き、再び走ろうとするが、小さくうめき声をあげその場にぺたんと座り込んでしまった。
ケガをしたのかと、アリスの顔を見ようとした時、ポタリポタリと冷たい雫が降ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!