Good-Bye-EARTH

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アリスが泣いていた。悲しげに嗚咽をあげて。 立ち上がろうとはしない。 「……アリス。立って。立ち上がって……奇跡を見に行こう」 私はアリスに声をかける。 「だって……あの二人は……」 泣きじゃくるアリスに更に声をかける。 「私を見て、アリス」 そうして私はかつてのこの世界の姿を形作る。 かつてこの世界が“地球”と呼ばれた頃の姿に。 無機質な銀の球体に、フォログラフィを載せ、青い星の姿を形作る。 ナビィと呼ばれ、時に意志持つ地球儀と呼ばれた私。 「アリス……キレイだろう? これがこの世界の真の姿だよ。アリス……奇跡を見に行こう。そして……奇跡と共に、世界を取り戻そう」 そうして、座標軸を示す。 「アリス……奇跡の場所はここだ。立ち上がって……一緒に奇跡を見に行こう。もちろんあの二人も一緒に」 アリス。私の愛する人。この絶望的な世界で出会った――私の奇跡。 こんなところで終わらせない。 アリス。 君には、幸せになってもらいたい。機械の私が愛することの出来た奇跡の少女。 私のアリス。
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