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「あんたは何の説明をしてるのさ……」
呆れたように言うずんぐりむっくりに、アリスが口を尖らせる。
「だって、ハンプティはいつもそう言ってるじゃない?」
二人が言い合っていると、今度は店の奥からしゃがれた怒鳴り声が聞こえてきた。
「やかましいぞ!! おめぇら!! 仕事がはかどらねぇだろぅが!! この仕事は集中力が命なんだからよ!!」
そう言いながら、店の奥から出てきたのは、マエストロ(巨匠)と書かれたキャップを被った、背の高い老人だった。
「そっちこそうるさいわよ!! このへっぽこ鑑定士!! 日なが一日使えない機械を弄くり回してるだけの何が仕事なんだい!?」
ハンプティが老人に負けじと言い返す。
「あんだと!? もと一級機械鑑定士……マエストロ・ハッター様に向かってなんつうこと言いやがる!! だいたいだなぁ……って、アリス? おめぇ、何を大事そうに抱いてんだよ?」
ハッターと名乗った老人が、私の顔を不思議そうに覗きこんだ。
「この子? ガラクタ山で“あいつら”に追いかけられてる時に見つけたの」
アリスが微笑みながら、説明する。
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