667人が本棚に入れています
本棚に追加
/351ページ
「真、知ってたか!?」
前に居た僕の親友の相澤雅人に
声をかけられた。
雅人はルックスが良くとても明るい。
そして休み時間にはいつも僕と一緒に居る、大親友。
「僕も知らなかった!」
「だよな!ちょっとくらい話してくれても良いのによー。」
高城先生は、結構生徒に人気の先生で、雅人もよく慕っていた。
優しくて良い先生だったからな…。
その時
「静かにしなさい。」
凛とした声がマイクから聞こえてきた。
その言葉と同時に、辺りは一気に静かになり静寂が訪れる。
僕は背が低いため、背伸びをして舞台の方を見る。
そこには黒いスーツに身を包んだ
一人の男が居た。
「今日から1年4組の担任をさせていただきます、三谷蓮先生です。」
僕はその先生に目を奪われた。
真っ黒な髪、整った顔、スラッと長い足。
身体が痺れたような感覚に陥る。
こんな感覚は初めてだ。
時間が止まったみたいに全てがゆっくりに、スローモーションに見える。
この出会いが僕達の物語の始まりだった。
最初のコメントを投稿しよう!