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四方を固定された、角張った壺型の台座が、高さ10m以上はあるであろう円柱の機械をささえ、その筒状の先端からは淡く白い光が放出されている。
遠くにあるうちにはわからなかったが、ただの得点補助にしてはかなり仰々しい代物に見えた。
「へぇ、プラントってこんなにでっかいんすねぇ」
俺が思ったことを声にする前に、タツヤが感心したように声をもらす。
「しかし、これは随分と傷がありますね」
遠目にはわからなかったが、プラントには数多くの弾痕が残されていた。
「まぁな。 なんせこれは他の戦場でも使われてたもんだからな。取り外し可能で、どんな戦場にも持っていける。 早い話が使い回しだよ」
「そうなんすかぁ。・・・ってか、隊長。 よくそんなこと知ってますね」
「はっはっは。基礎知識だよ、そんなもん」
「へぇー」
「・・・」
タツヤがグラントを見る目が少し変わった気がしたが、俺は隣で黙るヴァイスに目を向ける。なんとなく予想がついたが、いや、決めつけは良くないな。
「さって、さっさと占拠しちまうか。 全員で信号を送った方が早いが、その間信号が送れる範囲から離れられねぇ。 タツヤ。 お前行ってこい。 それと・・・」
グラントが俺に目を向ける。そう言えばまだ名乗っていなかったか。
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