初陣

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グラントは「ヘヴィガードⅠ型」、ヴァイスは「ツェーブラ」の・・・確か「39型」だったか。 クーガーはモノアイが青い光を放つ、ごつごつとしたフルフェイスのヘルメットのような形状をした頭部を初めとし、全体的に丸みのない、角張った装甲をしている。 性能的には標準、といったところか。 これといった特徴がないのが特徴で、かといって決して使えないわけではなく、高度な技術を持ったボーダーが、あえてこのクーガーを使用しているという話も聞くくらいだ。 ヴァイスの搭乗するツェーブラは全体的に丸みを帯びており、メインカメラはモノアイではなく、サングラスかアイマスクのような形状をしており、頭部には特徴的な角のような形をしたアンテナが存在した。 主に狙撃用に開発されており、装甲や移動速度にクーガーと大きな違いはなく、細かな武器の変更は不得手だが、装填速度や遠方の敵機を確認する能力に関してはずば抜けていた。 それらに対し、隊長であるグラントのパーツは、その全ての装甲がそれらの比ではなかった。 特に肩や太もも、胴体の部分のそれが顕著で、決して装甲が薄いとはいえないクーガーやツェーブラと比べても倍くらいの厚さがあった。 その分厚い装甲を目の当たりにしただけでも、ちょっとやそっとの攻撃では沈められないのがわかるが、グラントは出撃前に「今度、新調したⅢ型が届くんだ」と、嬉しそうに語っていた。 ヘヴィガードⅢ型はⅠ型よりも更に装甲を上乗せしたものと聞く。 見たことはないが、想像しただけでもそんなものに乗る相手とは戦いたくないと思う。
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