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もちろん、その反面、移動速度や装填速度などに問題があり、操作が難しい。 なにもわからずただ装甲が厚いからという理由だけで乗ると独活の大木になりかねない。 グラントの場合は、どうだろうか。
「そっからなんか見えます?」
どこにいるのかもわかっていないくせに、タツヤがヴァイスに質問する。
「いや」
「まぁ、やっぱ敵も今ごろはプラント占拠してますよね。 さっきは危なそうって思ったけど、こうやって先輩方が警戒してくれてますしね」
タツヤが言うように、グラントが俺達の数十メートル前方で敵機を警戒しており、遠方をヴァイスが警戒している。
一方通行で、しかもこんなに見晴らしのいい場所だ。 よほどのことがなければ見落とす事はないだろう。
しかし、何故だろう。何かを見落としているような気がする。
「さて、と。もう占拠出来たんじゃねぇの?」
タツヤに言われてプラントを見ると、今まで白い光を湛えていたそれが青いものに変わる。
これは自分のチームが占拠したという意味で、色は機械で制御されており、敵には赤。味方には青に見えるようになっている。
「よし、終わったみたいだな。んじゃ行くか」
前方で敵機警戒していたグラントが俺達の方に向き直って言う。
「さ、こっからいよいよ戦闘っすね。 活躍しますからよく見・・・」
「タツヤ! 右に跳べ!!」
タツヤがいい終える前にヴァイスの声が響く。
「え・・・」
突然の出来事に俺とタツヤは反応できずに立ち止まっていた。 が、次の瞬間―。
一発の銃弾に、タツヤの頭が吹き飛んだ。
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