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頭部に銃弾を受けたタツヤが弾き飛ばされる。 いや、正確には彼が搭乗するブラストの頭部に、だ。
タツヤは不意の攻撃に受け身を取れず、十数メートルとばされた後、地面に背中から着地。 それでも勢いを殺しきらず、更に跳ねて空中で回転し、仰向けに地面に叩きつけられた。
「ぐっ・・・ぉ・・・」
ブラストに搭乗しているとはいえ、強烈な衝撃にタツヤはうめき声をもらす。
「え・・・?」
突然のことに、なにが起きたのか全くわからなかった。
タツヤが、やられた・・・?
「ヒロ! タツヤを連れてかくれろ!!」
「・・・! は、はいっ!」
グラントからの指示に少し遅れて俺は返事をし、すぐさまブースターを使用。 かかとの部分のローラーと、腰部のスラスターからの出力により、高速移動を開始する。
全長5メートルのブラストが瞬時に加速し、時速100㎞に迫る速度でタツヤのブラストに近づく(※公式のものと設定が異なる)。
数秒としないうちにタツヤのもとへたどり着き、すぐさまブラストを抱えて近くの岩陰に隠れる。
タツヤのブラストの頭部にはスナイパーライフルの銃弾が深くめり込み、えぐられたようにいびつに変形していた。
「大丈夫か!?」
「っ・・・」
俺の問いかけに、タツヤから返事はない。 気を失っているのか。
「くそっ・・・!」
唐突な出来事であるというショックと同時に、先程まで戦場だというのに気を抜いていた自分に憤りを感じた。 操縦捍を握り締める手に力が入る。
(隊長は!?)
グラントに言われるがままに動き、身を隠したが、当のグラントはどうなったのか。
危険とは思いつつも岩陰からブラストの頭部を覗かせ、グラントのいた辺りに目を向けると、そこにまだグラントの乗るブラストの姿が見えた。
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