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「そもそもな、一撃で支援を戦闘不能に出来たんだ。 一流ならそれでさっさと隠れるなりするべきだったんだよ」
グラントがいうように、先程あげたデメリットを考えれば、単機で攻めて敵を一機戦闘不能に出来れば上等。 相手からは三機しか見えていなかったはず。
だからこそ、ヴァイスを狙わなかった。
三機のなかでグラントの乗るヘヴィガードは一撃で仕留めることができるとは考えにくい。支援兵装の者がいれば装甲は修復が可能だ。結果、厄介とおもわれた支援に乗るタツヤを狙ったのだろう。そして、ヴァイスはそれを読んだのだ。
「 でもシロから敵が逃げたなんて連絡はなかった。だから次に狙われるのは俺かお前だった」
お前とはもちろん俺のことだ。だからこそ、俺をタツヤと一緒に隠れさせた。
「隊長は自ら囮に?」
「そういうことだな。ま、俺のブラストの装甲はちょっとやそっとじゃやられねぇよ」
「じ、じゃあ、なぜ敵の攻撃が防げたんですか?」
「んー、なんつうかな、なんとなくだ」
「は?」
呆然とする俺をよそに、はっはっはと笑うグラント。 彼に代わりに、ヴァイスが答える。
「こいつは戦場での経験から、敵の銃がなんであるかを予想した。そして、リロードの時間を計算して、その最速のタイミングに合わせたんだ。勘でな」
「は?」
今までになく饒舌に語るヴァイスにも驚きだったが、それ以上に予想外の答えにまさかの先程と同じ言葉が出る。
確かに、現在、まだあまり多くの武器は支給されていない。とはいえ、種類は1つでは決してないし、自動で行われる装填の時間もパーツによって異なる。
正に勘である。 そして、それが的中した。
(この人達、すごすぎる・・・)
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