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目を瞑り輸送ヘリのプロペラ音と、自分が乗るブラストから漏れる低く微かな音を聞いていた。
起動前にも関わらず音が聞こえるのは、電磁波とかいうやつなのか、動力源でもあるニュードのせいなのか。
(故障なんて言ったらクリフさんに殴られるだろうな)
ふと、メカニックの頑固親父のことを思い出し、少し口元が緩む。
「そろそろ作戦区域に入ります。各ブラストランナーは準備をお願いします」
機体の通信機からオペレーターの声が響く。
「お、やっとか。さ、仕事の時間だ」
「先輩、何機落とせるか勝負しません?」
「遊びじゃないんだ。真面目のやらないと死ぬぞ」
次いで、同じヘリに乗る他の仲間達の声が聞こえる。
(そうだ、これは遊びじゃない)
唾を飲み込む。気付けば口が乾いていた。
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