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白衣の人は、年齢にして約20代後半から30代前半。
小さめの目と鼻にかかる大きい黒ぶち眼鏡が胡散臭い。
「今日は仕事で使うアレ、探しに来たんだろ? 」
巳坂さんだけが白衣の人の言う『アレ』の意味を理解出き、目を細めて笑ったまま「ああ」と返した。
私達の知らないところで進む話に、何となく耳を傾ける。
「なら、早く他の奴らに声かけてさっさと手に入れよう。ニホンは目的が満たしたら、すぐバイバイだろ? 俺さ向こう帰ったら明後日パツキンの女の子とデートだからっ」
白衣の人のウインクが、パチッと決まったが巳坂さんが「パツキン? 」と眉をしかめた。
私から見れば巳坂さんと白衣の人はとても仲が良さそうだけど、どういう関係なんだろう。
白衣の人が「blonde heir」と流暢に答えると、巳坂さんは再び「ああ」とだけ答えた。
そして、巳坂さんは白衣の人に向かって笑顔を作ると指先だけ私達に向けて差し出した。
「さっき決めた。こいつらにしようぜ」
「ッハァー?! 」
白衣の人のあんぐりを無視して、巳坂さんはニコニコとしたまま。
そして私達に向かって、「な、お前たちよっ」と巳坂さんは頬をついた。
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