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術「ファイヤー」を唱えたのは金髪の少年、ライと言う男だった。
どうやら術専門らしく、武器と言う武器は持っていない。
そのライの仲間である四人は、先程ロトがいた所にジリジリと近づく。
ロトの姿は無く、死んだものだと思い安心したのはつかの間。
別の仲間であるシュールと言う男が異変に気づいた。
「おい!なんで死体が無いんだ?!」
他の三人はハッとする。確かにそうだ。
ただ、ロトの羽織っていた赤いコートが一枚、ヒラヒラと宙を舞っているだけだった。
しばらく四人は、辺りを注意深く見回す。だが、やはり姿はどこにも無い。
「…なんだ。やっぱり、本人事燃えちまったんだよ。」
四人の中で一番大柄な男、ドクがガッカリそうに言う。
「ここの姫と一緒にいたから少しは強いかと思ったのにねー。」
見た目がサギっぽく、優しそうな男、マルティスは言う。
「はっお前の火加減が悪いんだよ!!」
「えー?!俺のせいすか?!」
ドクとライはなぜか言いあいを始める。この二人…仲が良いのか、悪いのか…。
「またか…。」
シュールは小さくため息をつく。
「まったく。二人とも、止めないか!」
腕を組始め、少し苛立ちを感じる。
だが、そんなシュールの言葉を無視するかのように、言い合いは延々としている。
そんな様子を見て、ひそかに笑っているマルティス。
(…なんなんだ、このチームといい、コンビといい…。)
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