第一章

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赤く光る太陽を隠すかのように雲が少し覆い被さったとき…。 その中心に、黒っぽいのが見える。 次第にその黒っぽいのは、此方に近づいてくる。…黒…? いや、それは人影のようなもの。よく見に覚えのある格好。そう、その影はロトだった。 いつの間にか敵であるシュールの背後にいた。息を潜めながら…。 四人は、ロトが居ることに気づいている気配はない。 「…人を、俺を勝手に殺してんじゃねーよ。」 あの赤い眼が太陽に反射しているせいか、さらに赤く見える。 そして、その瞬間。シュールに向かって剣を横に振り払った!! ―が、その音に気づいたのか、あるいは殺気に気づいたのか、近くにいたライがシュールの剣を奪うとロトの剣を塞ぐ。 ものすごい音が周りに響き、他の仲間もロトが居ることに気づく。 聞こえるか聞こえないかのかすかな音で、ロトは舌打ちをした。
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