LIFE 9

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そう言うと、三島部長はどこかへ歩いていってしまった。 その背中を少し見つめて、再び力なく俯いた。 首筋に冷たい感触。 それに驚き、ガバッと体を起こした。 冷たい物の正体は、ペットボトルのお茶。 三島部長はどこかで買ってきてくれたようで、私にお茶を差し出してくれていた。 「ありがとうございます。」 お茶を受けとると、バッグの中から財布を取ろうとした。 「おいおい、お茶の1本くらい奢らせてくれよ。」 「はい。じゃあ、ご馳走さまです。」 お茶は冷たくて、体に染み込んでいく。 「大丈夫か?」 「はい。おかげさまで。」 「あ、いや…。体調もなんだが、相沢部長のことも…。」 「え?」 「4月までは、君たちの上司だったろ?今日はみんな、動揺していたようだし。」 あぁ、そういうこと。 やましいことがあるせいか、変に反応してしまった。 「物腰が柔らかい人だったんで、みんな慕ってましたから。いきなり地方に…。左遷、なんですよね?」 「俺からは詳しいことは言えないが、そう思ってもらって間違いないとだけ言っておく。」 「そうですか。」 それから三島部長は私の横に座ったまま、一緒に何本もの電車を見送った。
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