LIFE 10

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「そんなに驚くことないだろ。」 後ろにいたのは青木。 青木とは、あの合コン以来話していなかった。 「あんた、いつからいたの?」 「はぁ?おまえが入ってくる前からいたし。電気ついてただろ?」 「………。そうだった?」 「おまえなぁ…。」 青木はため息をつきながら、額に手をあてた。 私はぼーっとしすぎて、本当に何も覚えていなかった。 資料室に入ってファイルを戻すこと以外は、別のことで頭がいっぱいすぎて。 「ボケッとしすぎじゃねーの?おまえらしくない。」 「私らしいって何?私だって、ぼーっとすることくらいあるわ。」 床に落ちた資料を拾う。 早く棚に閉まって、出ていきたかった。 今は特に、青木と顔を合わせていたくない。 「何急いでんだ?」 「早く仕事に戻りたいだけ。」 逃げるように、資料を出ていこうとした。 でも、あいつがそれを許すはずがなかった。 青木は私の腕を掴み、私を壁に押しつけた。 「何で逃げる?」 「逃げるんじゃなくて、仕事に戻るの!やらなきゃいけないことが沢山あるのよ。」 「俺がおまえの嘘を見抜けないと思うか?」 「………。」 青木の顔が近づいてきて、私は避けるように顔をそらした。
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