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そんな大きなミスをした自分が許せなくて、情けなくて…。
何度も『すいません』と謝って頭を下げながら、泣きそうになるのを必死に堪えた。
そんなときだった。
「もうその辺にしてやってくれませんか。」
いつまでも怒られる私の前に、相沢部長が割って入った。
それでも怒りが治まらない部長さん。
「おまえは一体、部下にどんな教育をしてるんだっ!こいつのせいで、どんなに恥をかいたか!!」
「申し訳ありません。私の監督が行き届かなくて。でももしクレームがあるなら、まず監督者の私に話を通すべきだと。」
「何!?」
「こんな大勢の目の前で、立場の弱い人間を罵倒するのはいかがかと。」
「ミスをしたのはこの女だ!こいつに直接言いに来て、何が悪い。」
「彼女は私の部下で、彼女の教育は私に任されています。彼女を叱責するのは、私の役目です。以後何かありましたら、まずは私が話を聞きましょう。」
いつも柔らかな雰囲気の相沢部長が、少し厳しい口調で話していた。
そしてここまで言われた部長さんは私たちを睨み付け、オフィスを出ていった。
「小谷、ちょっと来なさい。」
私が謝ろうとしたとき、それよりも先に相沢部長が言葉を発した。
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