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気がつけば僕は、知らない場所にいた。
華美や上品や質素や4畳半など、どの単語にも当てはまりそうもなく、ただ、目の前に壁があるだけの空間に。
それ以前の記憶は全く無く、むしろ、自分は今生まれたばかりで、この空間が初めての記憶になるのでは、という考えすら浮かんだ。
次に頭を過ったのは、恐怖だ。
自分がここにいる理由がわからないという事は、微笑ましい訳があるかもしれないし、反対におぞましい訳があるのかもしれない。
自分を監禁するために、誰かに放り込まれたのでは、だとか、これは夢の中で、たまたまこういう夢の内容になっただけではないのか、だとか、とりとめもないのに、可能性としては0ではない考えが浮かんでは消えていった。
最近の映画や小説によくある、何かしらのデスゲームに招待されたのでは? と考えた辺りだろうか。
声がした。
どこから。壁の向こう側からだ。
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