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「君は、僕を人間じゃないと思ってるのか」
「まぁ、平たく言えばな。『何かしらの無機物が急に喋る力を身につけた』奇跡が起きてるんじゃないか?」
「平たくても楕円形でも流線形でも一緒だよ」
しばし、沈黙が流れる。何か、悪いことでも言っただろうか。それとも、相変わらず凡庸過ぎる台詞にうんざりしているのか。
「じゃあさ、逆に君も人間じゃないかもしれないっていう事だよね?」
見えない重圧に耐えきれなかった僕は、自分から口火を切る。
「そうだな。こっちでも奇跡が勃発している可能性はある」
「たとえば……奇跡的に『人語を理解するロボット』が生み出されて、僕は奇跡的にその実用化試験に巻き込まれただけだとか」
「ああ、あり得る」
仮定ロボットが感心する。
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