出逢い

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人数も少ないって聞いてたのに31人ってさ。 普通じゃないっすか先生ー! やばい緊張感。やばい鼓動。 その31人の中に、 今でも一度大切な人がいたなんて その時は想像すらもしてなかった。 仕方なく黒板にでっかく 自分の名前を書いて、 簡単に自己紹介をしたらクラスがざわついた。 ん?と思ったらどうやら健斗って名前の奴がもう一人いたらしい。 やっとのこと自己紹介を終えて 一番後ろに用意されていた席に座った。 『よろしくね!!』 声の聞こえてきた方に顔を向けると、 後ろで髪を結んだ女の子が 笑顔で喋りかけてきてくれた。 そう。 この子こそがこの学校に来てから 初めて喋った最初の友達であり、 後に、いや、今でも一番大切な存在の人。 名前は『中原諒子』 吹奏楽部に入っている、 なかなかかわいい女の子だ。 『よろしく』 かなり愛想なさげに適当に返答しといた。 あー、早く帰りたいなぁー。 初日だし、友達なんてできるはずもなく、 一人寂しく朝注文したあまり温かくないカレーライスを 騒がしい教室で孤独感を我慢しながら食べた。
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