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「クレイル、前!!」
その方向を見ると、茶髪の少女を背負った蒼髪の青年が、人とは思えぬ速度でコッチに向かってくるところであった。
サオリの身体能力なら、難なく避けられるはずなのだが。
(お、美少女に美少年、これはフラグ発生ですか?フフフフ)
と、無駄な思考に入ってしまい、青年を避けようともしない。
直後、一瞬だけ向かってくる彼の蒼い眼と目が合い、直後青年とサオリは激突した。
常人であれば体ごと吹き飛ばされそうな衝撃に、サオリは難なく耐えてみせる。
そのまま青年を抱きとめ、助けることも可能ではあったのだが。
(ちょっと悪戯しちゃおう)
という決定の末、青年に押し倒されてみることに。
ついでに、自分の豊かな胸に青年の顔と手を埋めてみた。
小悪魔的な笑みを浮べると、サオリの背中は地面に触れた。
「いたたた」
わざとらしく呟くサオリ。
その悪戯な呟きに青年は反応し、彼女の胸の上でピクッと動く。
そして立ち上がろうと、力を込めてくる。
サオリが仕掛けた罠にまんまとかかる青年。
不本意ではあろうが、彼はサオリの胸を揉み始めた。
何だかわからず、それが何かたしかめるような手つき。
彼が、今自分が手にしているモノに予想が付いてきたらしく、体の動きが止まる。
そこへ、サオリは追い討ちを掛けるべく、妙に艶っぽい声で言う。
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