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言われた本人の血の気が引いていくのがわかる。
口をだらしなく開け、言葉を失っていく。
少し顔を近づけたところで、青年はものすごい勢いで後ずさる。
その反応にサオリは高揚感を覚え、身悶えながら言う。
「フフ~ン初心なんだからぁ」
その一言で、青年は顔を真っ赤に変え、頭を抱えながらうろたえている。
後ろの少女は怪訝な顔で青年を睨む。
が、サオリは気にせず、一人で話を展開していく。
「それにしても、美少年、美少女を同時にゲットとは、私にも運が向いてきたね。今日は紅子にも会ったしぃ」
自身の身を抱き、自酔気味に言うサオリ。
彼女の姿を見て、目の前の二人は明らかに『引いて』いた。
口をこれ以上は、というくらいに開き、目もいわずもがな。
誰がどう見ても、サオリを軽蔑しているように見える。
青髪の青年は後ろを見て、少女へと視線を送る、少女は無言で頷いた。
逃走の算段だろうか?
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