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「やっほ~クリちゃん、おっひさ~」
『元気そうで何よりじゃ』
「む、この私はいつでも元気よ?今日は特にね~」
今日遭遇した少年少女達を思い出しながら、サオリは言う。
クオリフィアは苦笑したが、そこに触れずに話を進めることにした。
『して、サオリよ『アイツ』のことだが』
「なにかわかったの!?」
その一言にサオリの顔色が変わる。
別人、と言い換えても差し支えはないだろう。
それほどの変化だ。
いつもの彼女を取り巻く陽気な雰囲気は消失し、終始笑顔であるはずの顔には焦燥の色が浮かぶ。
そんな彼女を見て、クオリフィアは残念そうに首を横に振った。
『すまぬ、未だ行方は掴めぬ』
「そっか、そうだよね~」
クオリフィアの回答を聞いたサオリは、ため息をついて肩を落とした。
が、それは一瞬で、いつもの調子で言った。
「気にしない気にしない!!探してればいつか会えるってもんよ」
『ふむ、そうじゃな、引き続き情報は集めておこう』
笑顔を作る二人、傍からみても作り笑いにしか見えなかった。
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