~prologue~

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 大きな街の路地裏、そこで野良犬と一緒に雨宿りしている私。    親はいない、いや『親』が何なのかすらわからない。    気付いた時には一人で、それが全てだと思っていたから。    このとき私は言葉もわからなかったし、生きる術も知らなかった。  ただ、自分の中の本能に従うだけ、食べ物があれば盗って食べたし、ゴミを盗ったりもした。   でも、怒る人は居なかった。  むしろ私が近寄ったら食べ物を置いて逃げていった。  それが私の『能力(チカラ)』の所為だと気付くのは、『彼女』と出会ってからだった。
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